ことの発端は。

ニューカレドニアから、こんばんは。

 

今日もまた良い天気でした。

春に季節は変わってきています。

でも風がとても強かったです。

 

 

 

ニューカレドニアでは、5月13日から大きな暴動が始まりました。

3ヶ月経った今でもまだ解決に至っていません。

 

 

ことの始まりは、ニューカレドニア有権者についての法律改正案です。

フランス領ですが、フランスから移住してきても、選挙権をすぐに得ることはできません。

ニューカレドニアの選挙権の対象者は、1998年のヌメア協定で、18歳以上のフランス国民で、1988年以前の住民とその子供と子孫に限られているからです。

 

1988年以降に移住してきた人は、たとえフランス国籍を持っていても、選挙権がないことになります。

その子供も子孫も、ニューカレドニアで生まれても選挙権を得ることができないのです。

 

これでは公平ではないと言うことで、ヌメア協定にのっとって、ここに住み始めて10年経った人とに変更しようと考えたわけです。

 

この国に税金を納めておいて、選挙権がないと言うのは平等ではないでしょう。

1998年の時点で、1988年は10年前ですからね。

 

 

でも、カナックの人たちは独立に対しての国民投票をする際に不利になると考えました。

フランスからの移住民が選挙権を獲得すると言うことは、独立反対派が増えるだけと思ったからです。

 

カナックの割合は40%ほどだといいますが、純粋なカナック人はさらに少ないのです。

今では混血の方が多いです。

純粋なカナックの人たちが全て独立を望んでいるわけでもありません。

たとえ全てのカナックの系の人が賛成したとしても過半数には届かないのです。

 

 

この案が可決された場合は、25000人ほどの有権者を拾えることができると見ています。

その人数は全体の14%にのぼるといいます。

 

 

フランス国会での審議が行われた5月14日を前に、暴動が起きたのです。

400を超える企業がお店が放火や強奪の被害に遭いました。

審議の邪魔をするためです。

 

右は個人商店。

左は古くから地元の人たちに親しまれているミルクシェイクの専門店。

2階には住居もありました。

 

放火の被害にあったのは右側のお店と2階の住居。

左のミルクシェイクのお店はどうにか無事で、営業を再開しています。

ちなみに、1つの建物です。

 

 

 

それでもフランスで審議、投票が行われ、351票対153票で可決。

暴動も意味がなかったように思えます。

 

 

その後にマクロン大統領がここに視察にきて、改正案を保留すると宣言しました。

でも独立賛成派は、改正案を破棄することを希望しています。

 

国民投票を見据えてとは言っても、ヌメア協定で決められた3回の投票はすでに終わっています。

1度目が2018年11月。

2度目が2020年10月。

3度目が2021年12月。

いずれも独立をしない。と言う結果に。

 

でも、3度目はコロナ禍において1年早まった投票日に、準備もできないと言うことから独立賛成派がボイコットをしたのです。

そのために無効な結果だと主張しましたが、大統領はその訴えを退けました。

決まったことだ。と。

 

 

 

今日は、また夜間外出禁止令が9月2日まで延びることが発表されました。

 

この騒ぎはまだ続きそうです。