ニューカレドニアから、こんばんは。
今日も暑かったヌメア。
ここ数日厳しい暑さが続いたから、台風が接近してきています。
そして、今日は12月12日。
3回目の今回は、前回の2回と比べても投票率がかなり低いようです。
このコロナ禍。
延期することも議論されましたが、結局日にちを動かすことはしませんでした。
延期を望んでいた団体は、そのままの日程で行われるのなら、棄権すると言い出しています。
だからでしょうか。
それとも、これから伸びるのでしょうか。
1998年にヌメア協定として取り決めされたニューカレドニアの独立。
近いうちに独立できるように、ニューカレドニアの自治権をフランスは容認するということ。
でも、完全な独立ではなく、外交や国防、通貨、司法に関してはフランスに委ねる、自由連合という形で。
フランスとしても、この島を手放したくないという気持ちが大きかったはずです。
だから妥協案として、自由連合という案を入れ込んだと思われます。
でも、今回の投票では、完全な独立を支持するかどうかという質問に変わっていますので、いつの間にか、自由連合という形ではなくなったようです。
確かに、この国にはニッケルがあります。
埋蔵量は無限大と言われるほど豊富なニッケル鉱山が。
独立派は、このニッケルさえあれば、怖いもの無し。という感じのようです。
1998年のヌメア協定以降も、莫大な援助をしてくれたフランスがあって、この国の政治が成り立っていました。
これでは自治とは言えないですよね。
トントゥータ国際空港にしても。
マジェンタ国内線空港にしても。
フランスからの援助金、すなわち税金で造られたものです。
フランスに頼っていることがまだまだ多いのです。
ここに住む子供たちの進学先の選択肢はどうなるでしょう。
ここに住むフランス人の医者たちはどうするのでしょう。
今回の投票は、極端に言えば、フランスか中国かどちらかを選ぶ。というものです。
フランスからの独立を決めれば、今かと待ち構えていた、中国が近づいてくるでしょう。
巨額な融資をしてくれるはずです。
その代わり。
代償が大きいでしょうね。
実際、アフリカのいくつかの国の独立に、中国は大きく絡んでいます。
あちこちに中国語が溢れ、多くの中国人が生活をして。
インフラが充実することはいいことでしょう。
でもそれは国を売ることを意味するのです。
中国にとって、この国の魅力は、ニッケルだけではありません。
この南太平洋の小さな島を軍事拠点にすることができたなら。
日本にとっても大きな脅威になるはずです。
3度目の国民投票が12月12日に行われると決まってから書いた記事。
前回の国民投票(去年の10月)の前日の記事です。
前回の選挙で独立が否決されたことを記事にしたもの。
この島の独立は。
この国だけではなく、南太平洋だけの問題でもなく。
とても大きな問題なのです。
今回の投票結果がどっちに転んでも、今夜、明日は暴動が起きるでしょう。
アルコールの販売が明日のお昼まで基本的に禁止されています。
大きな道路に面した、カーディーラーはすでに、車やトラックなどを地方に移動させています。
それができないところは、被害が少なく済むように、道から少しスペースを開けて車を停めたり、いつもと逆に、道に車の後ろ側をむけて駐車したり。
車での襲撃を想定して、大きなブロックや岩を商店の入り口周辺に置いたり。
ヘリコプターも頻繁に飛んでいます。
フランスから警察の援護も受けて、パトロールもあちこちで行われているようです。
大人が経験を元に判断したものが、この島の未来と時代にマッチするのか。
子供たちの未来が心配です。
3回目で最後になるはずの投票結果は、深夜になるでしょう。