暴動のその後。現実は。

ニューカレドニアから、こんばんは。

 

 

 

穏やかな青空の1日でした。

でも。

 

 

昨夜は。

思った以上に。

ひどい夜でした。

 

あちこちで強盗、放火、暴行。

 

 

いくつものお店が壊されて、商品を強奪されました。

いくつものお店が放火されました。

 

SNSで上がってくる映像は、どれもどれもひどい物でした。

 

 

ニューカレドニアのニュース番組のホームページです。

 

la1ere.francetvinfo.fr

 

 

その他にも、道路に障害物を置いて通行の邪魔をしたり。

歩道橋から下を通る車に石を投げつけてみたり。

盗んだ車を燃やしてみたり。

カスボンベに火をつけたりだなんて。

 

炭酸飲料の工場が燃やされたおかげで、爆発の恐れがあるという発表まで。。

水道管も破壊されたみたいだし。

車のメーカーで展示されていた新車が燃やされたり。

 

 

 

今回の暴動の原因は、ニューカレドニア選挙制度改正案が発端です。

これに対しての抗議行動なのです。

 

今朝6時にフランスの議会で採決されるということにあって、昨夜は最後の暴動だったわけです。

ニューカレドニアの問題がどうしてフランスで決議されるのか。

ここがフランス領だから。ですね。

 

 

 

 

この島は、1853年にフランス領になりました。

そこからフランス政府は移民を推奨したのです。

 

フランスとは全く逆で穏やかな気候に、多くの人たちが移住を決めました。

ここに住むフランス人が多いのはその名残です。

その後は、フランス人だけではなく、ニッケルの採掘のため、農園を作るためとあちこちからの移民を受け付けました。

 

それもあって、ここニューカレドニアは、原住民の割合が40%程度です。

 

これは簡単に独立させないためでもあります。

ここにはニッケルと、南の島という軍事的にいい立地。

フランスが手放せないからです。

国民投票でも、過半数以下なら認められませんから。

 

 

 

今回の改正案では、1つに、選挙権を持つ人を増やそうとしています。

 

今までは、1988年から1998年に居住した人もしくは、またその子供が選挙権を持っていたのですが。

 

この場合、有権者であるはずの5人に4人しか権利を持たないということになるのです。

しかも、年々人数が減っているというではありませんか。

 

それを、ニューカレドニアに少なくても10年以上居住している人。に変更することを考えているのです。

 

 

それでも今までの選挙の対象者の線引きは、ずいぶん前に取り決めたこと。

市民権と居住権の違いはどの国でも問題になりますが。

 

 

ちなみに、今回の改正案で、25000人以上もの人が対象になるのです。

実際、私も選挙権をもらえるということになります。

 

分母が増えるということは、もちろん比率も変わってくることになります。

 

 

 

反対派である、主に先住民の人たちは、比率が変われば独立することが今まで以上に難しくなると考えているようです。

 

だから暴動を起こしているようですが、、

ここまでしなくても良い!のレベルです。

 

 

 

 

ニューカレドニア各地でこの運動は起きていますが。

ヌメア近郊が一番ひどいです。

北部でも改正反対派はたくさんいるはずですが、道路を寸断したり放火したりまでは行動を起こしていないのです。

 

 

 

燃やした車を道路から撤去するにしても。

壊れた電柱を取り替えるにしても。

道路を整備し直すにしても。

 

結局は税金が使われるでしょう。

新しい税が導入されるかもしれません。

物価も上がるでしょう。

 

 

物を破壊するのも、放火するにしても、その時は面白いかもしれません。

でも、現実には代償が返ってくるのです。

 

 

 

これから、どうなっていくのか。

しばらく落ち着かないでしょう。

 

この場でもお伝えしていきたいと思っています。